化学・材料系の特許出願を研究・開発段階から支援

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弁理士ブログ|知財実務をわかりやすく解説

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このブログでは、特許を中心とした知的財産実務について、出願前の検討から、意匠・商標・著作権を含む権利選択、実務上の判断ポイントや注意点を、具体例を交えてわかりやすく解説しています。

弊所では、単に特許を出願するだけでなく、「それが企業の価値になるかどうか」にフォーカスして支援を行っています。
化学・半導体分野の発明に関わる装置、プログラム、制御関係の発明にも対応し、総合的に特許出願をサポートします。

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組成物特許で「のみ」を入れて後悔しないために|オープンクレームの落とし穴

拒絶理由で「開示されているので〇〇の構成だけ」と言われた…そのとき「のみ」を入れていませんか? 組成物の拒絶理由対応で、よくある“詰みパターン”があります。 それは、審査官から「明細書で開示されているのは〇〇の構成だけ」のように指摘されたときに、焦ってクレームへ「のみ」や「(AとB)からなる」を入れてしまうケースです。 この一手は一見、特許になる山を越える近道に見えます。しかし組成物では、ここでクレームを閉じると、後の対応が難しくなり、結果として次のようになりがちです。 特許になっても権利範囲が極端に狭い 補正で身動きが取れず、拒絶査定→不服審判まで必要になる...

組成物の特許を強くするための5つのポイント

組成物の発明では、成分の選択や比率、構造、相互作用など多くの要素が関係します。 そのため、出願内容の記載で特許の強さが大きく変わります。 特に化学・材料系の組成物の発明では、「進歩性があるか」「技術的に裏付けられているか」が重要です。 この記事では、広く強い特許を得るための5つの実務ポイントを紹介します。 当事務所のサポート内容は、ミレニア弁理士法人のご案内ページからご覧いただけます。 1.先行技術調査で差別化ポイントを見つける 最初のステップは、先行技術の調査です。 特許文献や論文を確認し、新しい組成物との違いを整理します。 組成物 発明...

トマト含有飲料事件に学ぶー官能評価とパラメータ発明【知財高裁 平成28年(行ケ)10147号】ー

食品・飲料の開発では、「甘い」「酸味が抑えられている」「濃厚でおいしい」など、官能評価が欠かせません。 しかし、この“感覚的な良さ”を特許の根拠にしたところ、サポート要件違反により無効と判断された裁判例があります。 それが、知財高裁 平成28年(行ケ)10147号(トマト含有飲料事件)です。 本記事では、裁判所が何を問題にし、なぜ官能評価だけでは足りないのかを、化学系弁理士の視点で解説します。 なお、本件は「官能評価 特許」の典型的な問題点を示した裁判例であり、食品・飲料分野で官能評価を使って効果を主張する際の注意点を示しています。 1....

官能評価とは? ― 使用感を技術に変換する入口

「官能評価」とは、感覚的な“使用感”を定量化する手法です。「さらさら」「まとまり感」「きしみ低減」などの感覚は主観的に見えても、実は再現可能な評価系で裏づけることができます。 たとえば、訓練済みパネリストによるスコアリング、ランダム化・ブラインド試験、統計処理による有意差解析などが挙げられます。このように、評価結果だけでなく、処方・物性・測定方法・測定条件まで一体で示すことで、特許の説得力は大きく高まります。つまり、「どう感じたか」を「どう作ったか」に結びつけることが重要です。 官能評価を特許に活かす3ステップ...

樹脂組成物・高分子化合物の特許は専門弁理士へ

樹脂や高分子の特許では、分子構造や配合比率など、微妙な条件の違いで効果が大きく変わります。そのため、発明の本質を理解せずに明細書を書くと、重要な部分を落としてしまい、権利範囲が狭くなるおそれがあります。 配合比率や構造式の理解が欠けると起こるリスク 弁理士が化学構造を十分に理解していないと、次のような問題が生じることがあります。 重合体の違いがわからず、特許請求の範囲の記載が明細書でサポートされない 主要成分と添加剤の関係がうまく説明できず、進歩性が否定される 分子量や架橋度などのパラメータをどう定義するか誤り、クレームが無意味なものとなる...

なぜ「実施例の準備」で特許の強さが変わるのか

特許は、発明の内容を他人に再現できるように記載しなければなりません。特に化学・材料分野では、構造と効果の関係を示す「実施例」が不可欠です。実施例が十分でないと、サポート要件や実施可能要件を満たさず、出願が拒絶されたり、登録後に無効とされるおそれがあります。 サポート要件と実施可能要件のちがい これらは似ていますが、目的が異なります。 サポート要件:クレームに記載した発明が、明細書の記載によって裏付けられているか。 実施可能要件:明細書の記載を読んで、発明を実際に再現できるか。 つまり、「発明を支えるデータがあるか」「実際に作れるか」を審査官や審判官がチェックします。...

第5回 意匠シリーズ|公開しないデザイン保護 ― 「秘密意匠」という選択

はじめに:発売前でも、権利は先取りできる 製品デザインを守りたい一方で、発売までは情報を伏せておきたい――そんな場面で使えるのが「秘密意匠」です。通常、登録後は意匠公報で公開されますが、秘密意匠を請求すると最長3年間、登録意匠を非公開にできます。競合に先読みされず、発表タイミングをコントロールできるのが最大の利点です。 秘密意匠とは(制度の要点) 対象:登録された意匠(出願段階ではなく、登録段階の意匠) 請求のタイミング:出願時または設定登録料の納付時まで(それ以降の後出しは不可) 非公開期間:登録日から最長3年(期間満了後は自動的に公開、期間の変更は可能だが注意点あり)...

第4回|部分意匠とは?製品の“一部”だけをデザインとして守る方法

製品全体ではなく、一部分だけを模倣される――そんな悩みはありませんか。例えば、アクセサリーの要部、香水瓶の胴部又はキャップ、バッグの持ち手など、印象を決める要は意外と「部分」にあります。そこで今回は、デザイン戦略で強力な武器になる部分意匠制度を、実務の視点でわかりやすく解説します。まず概要を押さえ、次に図面の描き方、さらに活用シーン、そして失敗しやすい点とチェックリストへと進みます。 部分意匠とは 図面の描き方(実線/破線) 活用シーンとメリット 関連意匠・画像意匠との使い分け 出願のコツ(権利範囲設計) ありがちな失敗例 出願前チェックリスト まとめ・ご相談 部分意匠とは...

第3回:関連意匠とは?シリーズでデザインを戦略的に守る方法

「同じコンセプトで複数のデザイン案がある。どれを出願すべき?」――そんな時に役立つのが関連意匠の活用です。まず、本体となる意匠(基礎意匠)を軸に、似たデザインを別出願として段階的に保護できます。さらに、シリーズ展開や年次改良が前提の製品とも相性が良く、模倣対策とブランド統一の両立に有効です。 関連意匠とはの基本(まず押さえる要点) 基礎意匠に類似するデザインを、同一出願人が関連意匠として登録できる仕組みです。 改正後は、関連どうしの連鎖(本意匠 → 関連A → 関連B …)も可能になりました。 出願できる期間:基礎意匠の出願日から10年以内です。...

第2回:意匠登録の流れ|出願から登録までのステップを解説

意匠(デザイン)を守るには、まず特許庁へ出願して「意匠登録」を受ける必要があります。しかし、実際にどんな手順で進むのか、必要書類は何か、そしてどのくらいの期間がかかるのか——初めての方には分かりにくい部分も多いはずです。 そこで、この記事では、弁理士が出願 → 審査 → 登録 → 公開までの全体像を、ポイントを絞ってわかりやすくまとめます。このように、全体の流れを理解しておくことで、手続きの準備やスケジュール管理がスムーズになります。 意匠登録とは?どんなときに必要?...