AIと著作権──海外事例から考える今後の展望
はじめに ChatGPTや画像生成AIなど、生成AIの利用は急速に広がっています。しかし「AIが作った文章や画像、プログラムに著作権はあるのか?」という疑問は、まだ答えが明確ではありません。日本では裁判例がなく、実務家も手探りの状態です。本記事では、日本の制度を解説しつつ、米国での事例を紹介し、今後の展望を考えてみたいと思います。 日本の著作権法とAI生成物 日本の著作権法第2条は「著作物」を「思想又は感情を創作的に表現したもの」と定義しています。そして「著作者」とは「著作物を創作した者」であり、ここでいう「者」は自然人、すなわち人間を指します。...