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ゲームのルールは著作権で守られる?

2025年10月1日 | ブログ

~アイデアと表現の違いを解説~

1. ゲームを作ったときに気になる「著作権」

オリジナルのボードゲームやカードゲーム、スマートフォン用のアプリゲームなどを開発する方が増えています。
そのときに必ず出てくる疑問が、「ゲームのルールは著作権で守られるのか?」というものです。

例えば、

  • カードを引いて点数を競うルール
  • サイコロを振って進むマス目ゲーム
  • プレイヤー同士が協力して敵を倒す進行方式

こうした「ルール」や「ゲームシステム」を真似された場合、法的に守れるのでしょうか?


2. 著作権の基本:保護されるのは「表現」、アイデアは保護されない

著作権法は「思想または感情を創作的に表現したもの」を保護対象としています(文化庁:著作権法入門)。
つまり、「表現」=具体的な文章や絵・音楽などは守られる一方、「アイデア」=抽象的な仕組みやルールそのものは守られないという大原則があります。

例で考えてみましょう

  • 「カードを引いて得点を競うゲーム」→ **ルール(アイデア)**なので著作権で保護されない。
  • 「ルールを解説した説明書の文章や図解」→ 具体的な表現なので著作権で保護される。

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3. 日本や海外の考え方:ルールそのものは保護されない

日本では明確な裁判例が少ないものの、基本的に「ルールや仕組み」は著作権では守られないと考えられています。

アメリカでも同様で、「ゲームメカニクス(ルールや進行方式)」はアイデアにあたるため、著作権の保護対象外とされるのが一般的です(参考:U.S. Copyright Office)。

つまり国際的にも、**「ゲームのルール=著作権で守られるものではない」**というのが基本的な理解といえます。


4. ではどう守る?他の知財制度の活用

「せっかく考えたゲームの仕組みを守りたい!」という方に有効なのが、著作権以外の知的財産権です。

(1)商標

  • ゲームタイトルやロゴ、キャラクター名を商標登録すれば、模倣品の流通を防げます。
  • 例:「人生ゲーム」「UNO」などは名前やロゴでブランドが守られています。

👉 関連記事:「商標登録していなかったために起こったECサイトでのトラブル事例

(2)特許

  • まったく新しいゲームシステムや技術的要素がある場合には、特許で守れる可能性があります。
  • 実際に「オンラインゲームの進行方式」「スロットマシンのアルゴリズム」などが特許になった事例もあります。

👉 関連記事:「特許と実用新案の違いは?費用や保護範囲を徹底解説

(3)意匠

  • ボードやカードのデザイン、駒や盤面の配置などが独自性を持てば、意匠登録が可能です。
  • 特許庁:意匠制度

(4)不正競争防止法

  • ルール自体は守れなくても、ゲーム全体をそっくりコピーして売るような悪質な模倣に対しては、不正競争防止法で救済される場合もあります。

5. まとめ:ルールは著作権で守れないが戦略次第で保護できる

本記事の要点を整理すると:

  • ゲームのルール自体は著作権で保護されない
  • ルール説明の文章や図は著作権で守られる
  • 商標・特許・意匠・不正競争防止法を組み合わせることで、オリジナルゲームを守れる

オリジナルゲームや教材を作っている方は、ぜひ一度、自分のアイデアや作品がどの制度で守れるのかを確認してみることをおすすめします。


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