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第2回:意匠登録の流れ|出願から登録までのステップを解説

2025年10月16日 | ブログ

意匠(デザイン)を守るには、まず特許庁へ出願して「意匠登録」を受ける必要があります。
しかし、実際にどんな手順で進むのか、必要書類は何か、そしてどのくらいの期間がかかるのか——初めての方には分かりにくい部分も多いはずです。

そこで、この記事では、弁理士が出願 → 審査 → 登録 → 公開までの全体像を、ポイントを絞ってわかりやすくまとめます。
このように、全体の流れを理解しておくことで、手続きの準備やスケジュール管理がスムーズになります。


意匠登録とは?どんなときに必要?

意匠登録とは、商品の外観デザイン(形状・模様・色彩など)を独占的に使えるようにする制度です。
つまり、「見た目の創作」を守る仕組みであり、他社が模倣やコピーを行った場合に法的に対抗できます。

たとえば、家具や化粧品ボトル、スマホ画面のUIなど、製品の印象を左右する部分が対象です。
そのため、ブランド価値を維持したい企業やスタートアップにとって重要な知的財産といえます。

制度の基本を先に確認したい方は→ 第1回「意匠とは?」

意匠登録までの全体の流れ

では、実際にどのような流れで登録が進むのでしょうか。意匠登録は、次の4ステップで進みます。意匠登録までの全体の流れ

📄 出願 → 🔍 審査 → ✅ 登録 → 🌐 公開

全体としては、出願から登録までおおよそ6か月〜1年が目安です。
ただし、審査の混雑や補正対応によって期間が前後することもあります。

① 出願準備:必要書類と図面の作成

意匠出願の第一歩は、正確な書類と図面を整えることです。具体的には次の3点を準備します。

  • 願書:出願人や意匠の説明を記載
  • 意匠図面:6面図や透視図、部分意匠の場合は該当部位の明示
  • 手数料:出願料16,000円

特に、図面は審査における判断の基礎資料になります。
そのため、線の太さや破線・実線の使い分け、陰影表現などのミスは避けなければなりません。
もし、自分で作図するのが難しい場合は、弁理士や専門の図面業者に依頼するのがおすすめです。
このように、最初の段階で精度を上げておくことで、後の審査がスムーズになります。

② 出願から審査まで

出願後、まず方式審査(書面や様式の確認)が行われ、問題がなければ実体審査に進みます。
ここで、新規性や創作容易性、機能的形状でないかが審査されます。

もし、既存の意匠と似ていると判断された場合には、拒絶理由通知が届きます。
その際は、意見書や補正書を提出して再審査を受ける流れです。
このように、審査段階では「独自性の証明」と「表現の正確さ」が鍵となります。

③ 登録査定・登録料の納付

審査を通過すると登録査定が出されます。
ここで、設定登録料(16,900円/3年分)を納付すれば、正式に「意匠権」が発生します。

意匠権の保護期間は出願日から25年間
つまり、長期間にわたりデザインを独占できる強力な権利です。
さらに、登録後は特許庁から「意匠登録証」が送付され、J-PlatPatにも情報が掲載されます。

④ 登録後の管理と活用

登録後も、定期的なチェックが欠かせません。
たとえば、模倣品がECサイトに出ていないか、他社が似たデザインを使っていないかを確認します。
また、複数のバリエーションを展開する場合は「関連意匠制度」の利用がおすすめです。
こうした一連の管理体制を整えることで、意匠権を戦略的に活かせます。

よくある注意点

  • 展示会で先に発表してしまった:「新規性喪失の例外」申請を忘れずに。
  • 図面の不備:破線や陰影の誤用は拒絶理由につながる。
  • 範囲の過小設定:類似デザインを囲い込む関連意匠出願が有効。

まとめ:早めの準備でスムーズな登録を

意匠登録の流れ自体はシンプルですが、図面や審査対応には専門的な知識が必要です。
したがって、製品デザインが完成した段階で早めに出願準備を始めておくことが大切です。
もし、出願や書類作成に不安がある場合は、専門家に相談してみましょう。

ミレニア弁理士法人にご相談ください
図面作成から審査対応まで、意匠登録をトータルでサポートいたします。
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参考リンク

よくある質問

Q1. 意匠登録にはどれくらい時間がかかりますか?

A. 出願から登録までは、一般的に6か月〜1年ほどです。審査の混雑や補正対応の有無で前後します。

Q2. 意匠登録の費用はいくらですか?

A. 出願料は16,000円、登録料は8,500円(第1年から第3年)が目安です。図面作成や代理費用は別途となります。

Q3. 公開してしまった後でも出願できますか?

A. 一定の条件と期間内であれば「新規性喪失の例外」を使える場合があります。発表から6か月以内が原則なので、早めにご相談ください。

Q4. 意匠と特許や商標の違いは?

A. 意匠は「見た目」を保護、特許は「技術的アイデア」、商標は「名称やロゴ」を保護します。状況によっては併願が有効です。