「いいアイデアはあるんですけどね」
企業の研究者や技術者の方とお話ししていると、よく聞く言葉です。
しかし実は、この段階ではまだ発明は存在していません。
なぜなら、
言語化されていないものは、他人にとって存在しないのと同じだからです。
頭の中にあるアイデアや感覚は、そのままでは共有できません。
そして、共有できないものは評価もされません。
① 言語化できていない状態とは何か
では、「言語化できていない」とはどういう状態でしょうか。
- なんとなく良さそう
- 従来より性能がいい気がする
- 実験ではうまくいった
これらはすべて「感覚」の段階です。
しかし、特許の世界では、
- 何が
- どのような構成で
- どのような条件で
- どのように良くなるのか
を明確に示す必要があります。
言葉で再現されてはじめて、発明になります。
特許制度の基本については、特許制度の概要(特許庁)も参考になります。
② 言語化できていないと何が起こるか
(1)特許にならない
言語化されていなければ、明細書に書くことができません。
当然、クレームにも落とし込めません。
結果として、権利になりません。
(2)社内で評価されない
そして、曖昧なアイデアは、意思決定の場では評価されません。
「なんとなく良さそう」は、予算がつかないのです。
(3)競争優位にならない
そのうえ、言語化されていない技術は、差別化として認識されません。
他社に真似されても、防ぐことができません。
③ 実は「発明の種」はすでにある
ここが一番重要なポイントです。
すでに発明の“種”は存在しています。
- 試行錯誤して見つけた条件
- 他社とは違う工夫
- 実験で得られた知見
これらはすべて、発明になり得るものです。
言葉になっていないために、埋もれているというケースが非常に多いのです。
④ 発明とは「言語化された技術」である
発明とは「言語化された技術」です。
装置そのものでもなく、実験結果そのものでもありません。
- その構成を再現できる
- 説明できる
- 他人が理解できる
この状態になって、初めて発明として扱われます。
⑤ まとめ:あなたの技術は言葉になっていますか?
もし今、
- うまくいっている技術がある
- 他社より優れている商品・製品がある
- 他社と違う工夫をしている
- しかし特許にしていない
のであれば、
「言語化されていない発明」かもしれません。
発明は、思いついた瞬間に価値が生まれるのではなく、
言葉にした瞬間に価値になります。
しかし、アイデアを言語化して発明へと昇華させるのは最初は難しいものです。
かつて、技術者時代の私もそうでした。一貫した先輩のサポートが必要でした。
⑥ ご相談はこちら
アイデアや技術をお持ちでしたら、
一度「言語化するところから」整理してみませんか。
発明として成立するかどうかは、
言語化の段階で大きく変わります。


